特別企画展のあゆみ |
- New Guinea Folk Exhibit -
1998.3~1999.2 |
ヤリ族の戦士たち
●開催にあたって | |
日本の真南、赤道直下に浮かぶニューギニア島は、面積が77万k㎡で日本の約2倍、グリーンランドに次ぐ世界第二の島です。その特異な形が巨大な鳥や太古の巨竜に例えられる島の大部分は、密林に覆われ、中央には4,000m級の山々が連なっています。ニューギニアの中央高地は長い間、秘密のベールに包まれていました。ニューギニア島の東半分はパプアニューギニア共和国、西半分はインドネシア共和国のイリアンジャヤ州に属していてます。人口は約300万人で多くの部族に分かれ、パプアニューギニアで750、イリアンジャヤで250、全島で千以上の言語が話されていると言われています。島民の一般的な生業は、サツマイモ、タロイモ、ヤムイモなどの根菜類の栽培で、豚の飼育は島のほぼ全域で行われています。高温多湿の低地では、サゴヤシから取るでんぷんの精製や狩猟、採集も重要な生業活動となっています。 | バンダナスの実を持つ家族
石蒸し料理をするダニ族の人々 |
今回のテーマ展示では、以前調査と資料収集を行ったパプアニューギニア中央高地やセピック川流域の少数部族の資料と、昨年、イリアンジャヤ山岳地帯に住むダニ族の集落を訪ねて新たに収集した資料を中心に、ニューギニアの伝統的な文化を紹介する民族資料約200点を選んで展示してみました。チラシ表面中央のピスポールは、イリアンジャヤ奥地のアスマット族が一本の木から彫り上げた記念柱で、高さ3,5m、重さは150㎏もあります。ほかに先祖崇拝と豊穣の祈りが込められた神像、部族の生活を表す一枚板の彫刻や神秘的な仮面、石斧や樹皮布など、生活用具も展示してあります。これらの貴重な資料には何世紀にもわたる部族の経験と生活の知恵が集約されています。この特別展を通してニューギニアの多彩な伝統文化が理解され、友好親善が進展しますことを願っております。
1998年 3月 アマゾン民族館 館長 山口
吉彦 |