公益財団法人出羽庄内国際交流財団

アンデス文明展~インカとその末裔~

特別企画展のあゆみ


アンデス文明展
The civilizations of the Andes – The Inca and their Desccedents

2004.3.6
~ 2005.2.14
写真

●開催にあたって

太陽の帝国、インカはアンデス山脈を背景に独特の文明を築き上げました。1533年、スペインのフランシスコ・ピサロの軍勢に滅ぼされるまで南北5000kmにわたって人口1000万人以上を有した輝ける大帝国でした。皇帝を「太陽の子」として崇めた彼らの栄光の跡は、今でもアンデスー帯に残っています。「空中都市」として有名なマチュピチュの巨大な石造建築群をはじめとして、太陽の神殿、太陽の処女の館、サクサイアマンの城砦…。鉄器も大型駄獣の知らないインカが、大帝国を築き上げたのです。中央アンデス地帯には、インカ文明に先行した数千年にわたる数多くの文化があり、インカはそれらの文化を統合し集大成したのです。
インカ帝国滅亡後、300年にわたってスペインの植民地となリインディヘナ(先住民)は虐待と搾取にあえぎました。アンデスの奥深い山岳地帯では、農民達は今でも段々畑を耕し、リャーマやアルパカを飼い続けています。インディヘナ達は貧しく、彼らの表情には滅ぼされた民族の悲哀が漂っています。
昨年6月、クスコで行われたインティライミ(太陽の祭り)に、私は久々に参加しました。インカの末裔達は赤、黄、緑など原色を基調とした多彩な民族衣装をまとい、サクサイアマン城砦跡に集まり、インカ時代の踊りや宗教的儀式を再現しました。インティとは「太陽」の意味で、その年に収穫されたトウモロコシから作った酒「チチャ」を黄金のつぼに入れて太陽に捧げます。広大な城跡を埋めつくした人の波と彼らの熱狂と興奮を見ると、まるでインカが復活したかの錯覚に襲われました。リマの日本大使館付属学校で教鞭を取る傍ら、数年にわたってインカ、プレインカの遺跡を訪ね歩いた青春の1こまが走馬燈のように甦ってきました。真っ青なアンデスの空にコンドルが舞い、哀調を帯びたフォルクローレの音楽が峰々に響しています。
アマゾン民族館10周年記念に、今まで収集した民族資料1000点をもとに、「アンデス文明展」を企画してみました。
この特別展を通して、未だに謎を秘めたインカ、プレインカの文明とその末裔に思いを馳せ、ロマンを感じていただければ幸いです。

アマゾン民族館 館長 山口 吉彦

写真 地図

休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)12月29日~1月3日 TEL 0235-25-3600 開館時間: 午前9時~最長午後10時(貸館の利用に応じて変更あり)
山形県鶴岡市伊勢原町8-32 FAX:0235-25-3605
e-mail:info@dewakoku.or.jp

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